(監修:サイバーセキュリティ専門家 佐藤 和也)
「せっかく構築したネットワーク環境。いざ疎通確認をしようと思ったら、画面には冷たい『要求がタイムアウトしました。』の文字。……えっ、設定は間違っていないはずなのに、なんで!?」
そんな「pingが通らない絶望」、ネットワークを触る人なら誰もが一度は経験する道ですよね。
実は僕もエンジニアになりたての頃、客先でのサーバー設置中にこれに遭遇し、冷や汗を流しながら3時間を無駄にした苦い経験があります。当時は「PCを再起動すれば直るはず!」なんて根性論で挑んでいましたが、ネットワークの世界はそんなに甘くありませんでした(笑)。
でも、結論から言いましょう。
あなたが悪いわけでも、PCが壊れたわけでもありません。
原因はWindows 11という「最新のオートロックマンション」のセキュリティが少しばかり厳重すぎて、pingという「確認のチャイム」を勝手に居留守にしているだけなんです。あなたのPCは、真面目に仕事をしすぎているだけなんですよ。
この記事では、ネットワークの知識に自信がない方でも、3分あればping不通という「呪縛」を解いて、今すぐスッキリとした「Reply from…」という応答を手に入れるための具体的な手順を、僕と一緒にステップバイステップで進めていきましょう。
さあ、サクッと解決して、本来やりたかった仕事や設定に時間を使いましょうね!
【お急ぎの方へ:この記事の結論】
- ✅ 犯人の9割はファイアウォール:Windows 11は標準でpingを無視します。「受信の規則」でICMPを許可するのが最短ルートです。
- ✅ 切り分けが解決の命:「自分」「経路」「相手」のどこで止まっているか。プロの思考法で無駄な作業をカットします。
- ✅ 魔法のコマンド:どうしても設定画面で直らないならPowerShellでプロファイルを変更。最終手段は「netsh winsock reset」です。
※この記事は、ネットワークエンジニアの知見を詰め込んだ「Windows 11 pingトラブル解決の最終決定版」です。目次から必要な部分へジャンプしてくださいね!
Windows11でpingが通らない原因を探る
「ping(ピン/ピング)」というのは、いわばネットワーク界の「生存確認のチャイム」です。相手に対して「生きてますかー?」というパケットを投げ、相手が「はい、生きてますよ!」と答えるだけのシンプルな仕組み。だからこそ、ここが通らないと「ネットワークのどこかが壊れている」と判断せざるを得ません。
でも、Windows 11でこのチャイムが鳴らないとき、まず大切にしたいのがプロの思考法である「切り分け」です。原因を闇雲に探すのは、地図を持たずに樹海を歩くようなもの。まずは、問題が以下の3つのどこで起きているのかを特定しましょう。
- 自分のPC(送信側):自分のPCが「pingを送ること」自体を制限していないか?
- 通信の経路:ルーターやハブ、LANケーブルなどの道が封鎖(断線や設定ミス)されていないか?
- 相手の機器(受信側):相手が「返事をすること」を拒否していないか?(←これが9割!)
Windows 11は、以前のバージョンよりもセキュリティの「ガード」が格段に硬くなっています。例えるなら、「怪しい奴(ICMPパケット)は、たとえ挨拶でも一切玄関を開けない」という超堅物なルールがデフォルトで適用されているんです。
この「堅物なルール」の正体を知れば、不通という名の呪縛は半分解けたも同然ですよ!まずは「住所(IP)」が正しく設定されているか、確認の旅に出ましょう。
ネットワーク設定を確認しよう:IPアドレスの「迷子」を防ぐ
ファイアウォールを疑う前に、まずはPCが「ネットワークという住所録」に正しく登録されているかを確認しましょう。基本的なことですが、IPアドレスやサブネットマスクが1ビットでもズレていれば、pingという手紙は届きません。
特にWindows 11では設定画面が刷新され、従来の「コントロールパネル」から「設定アプリ」への移行が進んでいます。戸惑うかもしれませんが、以下の手順で現在の住所(IP)を確認してください。
1. コマンドプロンプトという「診断書」を開く
検索窓に「cmd」と打ち込み、黒い画面を開きます。そこでipconfig /allと入力してみてください。これがあなたのPCの「ネットワーク上の住民票」です。
2. 「169.254」から始まる数字に注意!
もしあなたのIPv4アドレスが「169.254.x.x」になっていたら、それは「DHCP(自動住所割り当て)の失敗」を意味します。ルーターから住所をもらえなかったPCが、寂しく勝手に名乗っている仮の番号です。これでは通信できません。ケーブルの緩みや、ルーターのフリーズを疑いましょう。
3. 実は「IPv6」が邪魔をしているかも!?
もしIPv4の設定が完璧なのにダメなら、おまけで「IPv6」という新しい住所規格が通信を混乱させている可能性を疑ってみてください。
古いルーターや一部の古いネットワーク環境だと、このIPv6が「俺が先に行く!」と割り込もうとして、結局道に迷ってpingが通らなくなる、なんてことが稀にあるんです。後ほど紹介する設定画面で、思い切って一度IPv6のチェックを外してみるのもプロの有力な切り分け手法なんですよ。
ファイアウォールの影響をチェック:最新OSの「居留守」設定
さて、ここからが本番。Windows 11でpingが通らない最大の「真犯人」である、Windows Defender ファイアウォールの攻略です。前述の通り、Windows 11は「知らないパケット」を徹底的に排除します。たとえ同じLAN内の仲間からのpingであっても、「エコー要求(ICMPv4)」という名前のルールが許可されていない限り、居留守を使い続けます。
以下の手順で、そのガードを「合法的に」緩めてあげましょう。
1. 詳細なセキュリティ設定へ潜入
「設定」→「プライバシーとセキュリティ」→「Windows セキュリティ」→「ファイアウォールとネットワーク保護」へ進み、一番下の「詳細設定」をクリックします。ここで管理者権限を求められますが、堂々と「はい」を押しましょう。
2. 「受信の規則」という名のリストを確認
左側のメニューから「受信の規則」をクリック。膨大なリストの中から、次の名前を必死に探してください!
「ファイルとプリンターの共有(エコー要求 – ICMPv4 受信)」
3. 無効を有効に変える
このルールがグレーアウト(無効)になっていませんか?右クリックして「規則を有効にする」を選択。これだけで、あなたのPCは「pingのチャイムに応答する」ようになります。簡単でしょう?
⚠️ ネットワークプロファイルに注意!
ルールを有効にしても通らない場合、そのルールが適用されている「プロファイル」を確認してください。接続先が「パブリック」になっていると、pingはブロックされたままになります。設定画面から変更できない場合は、PowerShellを管理者で開き、以下のコマンドを打ち込むのがプロの裏技です。
Set-NetConnectionProfile -NetworkCategory Private
これで強制的に「プライベート」に変更され、疎通が回復するはずですよ!
アンチウイルスソフトという「お節介な警備員」
「OSの設定は完璧なのに、まだ通らない……。」そんな時、疑うべきは後から入れたサードパーティ製のアンチウイルスソフトです。彼らは非常に優秀な警備員ですが、優秀すぎるがゆえに「OSが許可していても、俺が許さない!」とばかりに独自にパケットを検閲します。
例えば、主要なソフトでの操作はこんな感じです。
- ウイルスバスター(トレンドマイクロ):タスクバー右下のアイコンを右クリックし、「コンピュータの保護を一時停止」を選ぶだけで確認可能です。
- ノートン:タスクバーアイコンの右クリックメニューから「自動保護を無効にする」や「スマートファイアウォールを無効にする」を一時的に選べます。
- ESET:「詳細設定」の中にある「ネットワーク保護」でICMPパケットを個別に許可してあげましょう。
「海外製ソフトって、なんだか設定が難しそう……」その直感は大切です。でも、多くのソフトには「診断モード」や「一時無効化」があります。まずは5分間だけ保護をオフにして、その隙にpingを打ってみてください。これで通るなら、犯人はその「警備員」で確定。設定を微調整してあげれば解決ですよ。
Windows11でpingが通らない時の具体的な対策(コマンド編)
理屈はわかった。設定も見た。でもまだダメだ!……そんなあなたに贈る、「強制解決の3ステップ」です。いわばネットワークのデトックスですね。エンジニアが現場で最初に行う「打率の高い」アクションです。
ステップ1:ネットワークアダプターを「リセット」する
デバイスマネージャーを開き、使用中のアダプター(Intel Ethernet…等)を一度「無効」にし、10秒待ってから「有効」に戻してください。物理的な故障でない限り、これだけで一時的な「詰まり」が解消されることが驚くほど多いです。人間もPCも、一度寝て起きるとスッキリするのと同じですね。
ステップ2:IPアドレスの「再発行」
管理者権限の黒い画面(コマンドプロンプト)に、以下の文字をコピーして右クリックで貼り付けてください。Enterキーを「ッターン!」と叩くのをお忘れなく。
ipconfig /renew
ステップ3:最後の手段「Winsockリセット」
これは通信の土台(プロトコルスタック)自体をリセットする強力な手術です。以下の文字をコピーして、管理者権限のコマンドプロンプトに貼り付け、Enterキーを勢いよく叩きましょう!
netsh winsock reset
「設定が正常にリセットされました。変更を有効にするには、コンピュータを再起動する必要があります。」というメッセージが出たら勝利は目前。再起動後、ネットワーク周りの設定が「更地」に戻り、不具合も一緒に消し飛んでいるはずです。
pingコマンドの応用と「プロの診断テクニック」
pingコマンドをただ打つだけではもったいない!状況に合わせて「使い分ける」ことで、診断の精度は一気に上がります。これを知っているだけで、周りから「おっ、詳しいね!」と思われること間違いなしです。
1. 無限にチャイムを鳴らし続ける「-t」
ping 192.168.1.1 -t(Ctrl + Cで停止)これを実行しながらLANケーブルを挿し直したり、設定を変えたりしてみてください。繋がった瞬間に「Reply…」に変わるので、変化を見逃しません。僕も現場では常にこれを流しっぱなしにしています。
2. 通信の「太さ」を測る「-l」
ping 192.168.1.1 -l 1472 通常のpingはサイズが小さいので通ることがありますが、サイズを大きくすると失敗する場合、それは「MTUサイズの不整合」という高度なトラブルのサインかもしれません。
3. 名前解決を疑う「直接IP指定」
もしping google.comはダメでも、ping 8.8.8.8が通るなら、悪いのは通信そのものではなく「DNS(名前解決)」の設定です。このように宛先を数字にするだけで、問題の所在をさらに絞り込めるのです。賢いでしょう?
まとめ:あなたのネットワーク環境を自由にするために
長旅、本当にお疲れ様でした!ここまで読み進めたあなたは、もうWindows 11のネットワークに関しては、そこらの自称詳しい人よりもずっと深い知識を持っています。自信を持ってくださいね。
今回のポイントを振り返ってみましょう。
✅ ping不通解決・達成チェックリスト
- 切り分け: 問題は自分か?経路か?相手か?を特定した
- ファイアウォール: 「受信の規則」でICMPを許可した
- プロファイル: 「プライベート」に変更されているか確認した
- 最終手段: Winsockリセットを試して再起動した
今、あなたの画面にはどんな文字が出ていますか?もし「Reply from…」という文字が並んでいるなら、それはあなたが自分の手でトラブルを克服した素晴らしい成果です!
ネットワークは目に見えない分、一度トラブルとパニックになりがちですが、論理的に一つずつ扉を開けていけば、必ず解決の出口にたどり着けます。焦る気持ちをグッと抑えて、この記事の手順を思い出してください。
もしまた、PCの調子が悪いとき、ネットが繋がらないとき。いつでもこの記事に戻ってきてくださいね。このページは、あなたのITライフを支える「ネットワークのお守り」として、いつでもここにありますから。
あなたのWindows 11が、今日からもっとサクサク動き、最高のパフォーマンスを発揮できるよう願っています。それでは、快適なデジタルライフを楽しんでくださいね!お疲れ様でした!✨


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