✍️ 著者プロフィール:タカ(Taka)
肩書き: ビジネスデータ可視化専門家 / 元外資系コンサルタント
専門: Excelを用いた経営分析、エグゼクティブ向けプレゼン資料の最適化。100社以上の報告資料を監修し、「一瞬で意思決定できる図解」を追求している。
読者へのスタンス: 会議前夜の焦りは痛いほど分かります。だからこそ、小難しい理論抜きで「最短で正解にたどり着く方法」を伝えます。
「明日朝の役員会議で、市場シェアと成長率、さらに利益率の3つを1枚のグラフで示してくれ」
上司からそう急に頼まれて、エクセルの「バブルチャート」に手を出したものの…
グラフがグチャグチャになって、何から手をつければいいか焦っていませんか?
「あれ、思ってたのと違う…」と深夜のオフィスで途方に暮れる経験、実は私にもあります。
今回の会議で求められている「シェア・成長率・利益率」を正しく反映させるには、Excelが要求する「データの並び順」という絶対的なルールを守る必要があります。
バブルチャートが上手く作れない原因の9割は、機能の難しさではなく、このルールを知っているかどうかにあります。
この記事では、私がコンサル時代に培った、最短3分でプロ品質のバブルチャートを仕上げる「黄金のルール」を公開します。
面倒なラベルの手入力から解放され、役員を納得させる「伝わる資料」を完成させるための最短ルートを一緒に辿りましょう。
1: なぜ「グチャグチャ」になる?作成前に知っておくべき唯一のルール
バブルチャートは、横軸(X)と縦軸(Y)でデータの「位置」を示し、円の大きさ(サイズ)でデータの「規模」を示すグラフです。
しかし、エクセルには「この順番でデータが並んでいないと正しく描画しない」という絶対的な仕様が存在します。
多くの人が失敗するのは、この仕様を知らずに、思い思いの列順でグラフを挿入してしまうからです。
✍️ 専門家の経験からの一言アドバイス
【結論】: データシートは左から以下の順に、隣接して並べてください。
①横軸(X軸)の値 → ②縦軸(Y軸)の値 → ③バブルのサイズ(第3変数)
なぜなら、エクセルは選択範囲の左から順番にX、Y、サイズとして機械的に割り当てるからです。
この「黄金の順序」を崩したまま範囲選択をしても、決して意図したグラフにはなりません。
※注意:バブルサイズ(第3変数)にマイナスの値が含まれていると、エクセルでは正しく表示されません。
利益率などでマイナスがある場合は、絶対値に変換するか、データを調整しましょう。
もし管理上の都合で列の並び順を変えられない場合は、グラフを右クリック >「データの選択」から各軸の範囲を個別に指定することもできます。
また、「飲料グループ」と「食品グループ」のように色分けしたい場合は、グループごとに「系列」として追加すれば、色分けも自動で行われます。
2: 【実践】バブルチャートの作り方3ステップ:範囲選択から挿入まで
データの準備ができたら、次は挿入です。ここで一つ、ビジネス実務で最も大切な「失敗しないコツ」をお伝えします。
1. データ範囲の選択(最重要)
準備したデータの「数値部分のみ」をマウスでドラッグして選択します。
このとき、「見出し(項目名が入った一番上の行)」を含めてはいけません。
見出しを含めると、エクセルが「どの列が数値か」を誤認識し、グラフが真っ白になる原因になります。
もし必要なデータが離れた列にある場合は、Ctrlキーを押しながら選択しましょう。行の高さ(範囲)を必ず揃えるのがコツです。
2. グラフの挿入
「挿入」タブ > 「グラフ」グループにある「散布図またはバブル チャートの挿入」アイコンをクリックします。
3. バブルの選択
「バブル」の中にある、平面的な「バブル」を選択します。
※3Dバブルは視認性が落ちるため、ビジネス資料では推奨しません。
これで、基本的な形は完成です。散布図に「大きさ」の要素が加わったことを確認してください。
3: 手入力は不要!全バブルに「一括でラベル」を表示する神機能
グラフはできましたが、今のままでは「どの円がどの製品か」が分かりません。
昔は一つずつ手入力していましたが、Excel 2013以降(Microsoft 365含む)であれば一瞬で終わります。
✍️ 専門家の経験からの一言アドバイス
【結論】: 「データラベルの書式設定」にある「セルの値」機能を使いましょう。
一つずつ手入力していると、データの修正があった際に対応が漏れ、誤った数値を報告してしまうリスクがあるからです。
【設定手順】
1. グラフ上のバブルをどれか一つクリック。
2. 右上の「+(グラフ要素)」をクリック。
3. 「データラベル」にチェック > 「その他のオプション」を選択。
4. 「ラベルの内容」にある「セルの値」にチェックを入れる。
5. 表の中の「製品名」などの範囲を選択して確定。
[プロのコツ] ラベルがバブルの線と重なって見にくい場合は、設定画面の「ラベルの位置」から「中央」や「右」を選んで調整しましょう。
4: 役員を唸らせる「見やすさ」の極意:重なり解消と軸の最適化
最後に、役員会議レベルで求められる「プロの仕上げ」を行いましょう。
【補足】バブルのサイズは「面積」で表現されます。「直径」ではありません。
値を2倍にすると、面積は4倍近くに感じられます。会議で突っ込まれたら、「面積を指標の絶対値に比例させています」と冷静に回答しましょう。
1. バブルの「透明度」を上げる
大きなバブルの裏に、小さなバブルが隠れてしまうのを防ぎます。
バブルを右クリック > 「データ系列の書式設定」 > 「塗りつぶし」 > 「透明度」を30%〜50%に設定。
競合はグレー、自社は「青」のように使い分けるだけで、役員の視線を自然に自社データへ誘導できます。
[プロのコツ] バブルが密集しすぎている場合は、設定画面の「バブル サイズの調整」から数値を100から50などに下げるとスッキリします。
2. 軸の最小値・最大値を調整する
エクセルの自動設定でできる「無駄な余白」を削ります。
軸の数値を右クリック > 「軸の書式設定」 > 「境界値」を手動で調整します。
例えば、利益率が10%〜20%の範囲なら、最小値を「0」ではなく「0.08(8%)」に設定します。
これによりデータの差異が強調され、分析の説得力が一気に増します。
また、ラベルを表示しているなら、「凡例(レジェンド)」は思い切って削除しましょう。グラフが大きく表示され、格段に見やすくなります。
[プロの最後の一手間] パワーポイントへの貼り付け術
パワポに貼る際は、貼り付けオプションで「図(SVG)」または「ブックを埋め込む」を選びましょう。
これにより、会議室の大きなスクリーンで拡大しても、グラフがぼやけず鮮明に表示されます。
[保存版] 会議直前!3点セルフチェックリスト
- 列の並びは「X → Y → サイズ」の順になっているか?
- 大きなバブルの裏に、小さなデータが隠れていないか?(透明度の確認)
- 軸に無駄な余白がなく、データの分布がはっきり見えるか?
まとめ & CTA
お疲れ様でした。これで「プロ品質のバブルチャート」の完成です。
1. 準備:左から「X、Y、サイズ」の順に並べる
2. 作成:数値のみを選択し、バブルチャートを挿入する
3. 仕上げ:「セルの値」でラベルを表示し、透明度と軸を整える
この手順を試してみてください。あなたの分析が、組織の意思決定を動かす大きな一歩になるはずです。
[参考文献リスト]
- 出典: データをバブル チャートで表示する – Microsoft サポート
- 出典: バブルチャート – なるほど統計学園 – 総務省統計局
- 参照: Bubble chart at Excel – think-cell


コメント