【お急ぎの方へ:この記事の結論】
- ✅ 最短・9割はこれで解決:「ブート切り替え」を作れば、仕事と遊びを両立できます(解決策2へジャンプ)。
- ✅ 選択画面が出ない!:「高速スタートアップ」を切らないとメニューが表示されません(必須設定へジャンプ)。
- ✅ 危険な落とし穴:Pro版の方はBitLocker回復キーを必ず確認してください(重要警告へジャンプ)。
※この記事では、黒い画面(コマンド)に慣れていない方でも迷わないよう、コピペだけで完結する図解レベルの細かさで徹底解説しています。目次から気になるところへ飛んでくださいね!
「せっかくの休日、久しぶりにNox Playerでゲームでもしようか!」
そう思ってウキウキしながら起動ボタンを押した瞬間、画面に表示される無慈悲なエラーメッセージ。
“Cannot start because Hyper-V is enabled.”
あるいは、VirtualBoxでの “Raw-mode is unavailable courtesy of Hyper-V”。
もしくは、起動はするものの…
「あれ? 最新版はHyper-V対応のはずなのに、カクカクしてゲームにならない…」
「タップの反応がワンテンポ遅れる…」
こんな「隠れ不具合」に悩まされていませんか?
「Hyper-Vならさっきコントロールパネルからオフにしたはずだけど……?」
PCを再起動しても状況は変わらず、「設定を変えたのに直らない(または重いまま)」という出口の見えないトンネルに迷い込んでしまっているあなた。
わかります、すごーくわかります!私もインフラエンジニアとして働いているので、この「設定したはずなのに反映されない地獄」になった時のイライラ、痛いほどわかります。
貴重な休日がトラブルシューティングだけで潰れていく絶望感…。
「もうWindows投げ捨てたい!」「Dockerとゲーム、どっちか諦めなきゃダメなの?」
なんて、悲しい気持ちになっちゃいますよね。
でも、大丈夫です!
その焦る気持ち、よーくわかります。でも、どちらかを諦める必要はありません!
この問題、実はWindows 11特有の「セキュリティ機能(VBS)」が裏で悪さをしているだけなんです。エンジニアらしい「ある方法」を使えば、仕事も遊びも100%楽しむ環境が作れますよ。
この記事は、そんな「Hyper-Vの亡霊」に取り憑かれてしまったあなたを救うための、プロ直伝の解決策を網羅した「完全バイブル」です🕵️♀️
「コマンドプロンプト?黒い画面?怖い!」という初心者さんでも大丈夫。
私(Tech Lead Kenji)と一緒に、一つずつ順番にコピペしていけば、魔法のように快適な環境が手に入ります。
さあ、あの快適なサクサク動作を取り戻しましょうね!🥰
【前提確認】そもそもBIOSで「仮想化」はオンになっていますか?
Hyper-Vの犯人探しをする前に、たった1箇所だけ確認させてください。
そもそも、PCの頭脳(CPU)が「仮想化」を許可していない可能性がゼロではないからです。ここがオフだと、これから紹介する裏技も全て無駄になってしまいます💦
▼3秒で終わる確認方法
- キーボードの「Ctrl」+「Shift」+「Esc」を同時に押して「タスクマネージャー」を開きます。
- 「パフォーマンス」タブ(グラフのアイコン)をクリックし、「CPU」を選びます。
- 右下の情報欄を見てください。「仮想化:有効」になっていますか?
もしここが「無効」なら、Windowsの設定以前の問題です! PCを再起動してBIOS(UEFI)画面に入り、「Intel VT-x」や「AMD-V (SVM)」をオンにしてください。
「有効になってたよ!」という方は、やはりWindows側の設定が原因です。いよいよ本丸に切り込みましょう!👇
なぜ「コントロールパネル」だけではHyper-Vが消えないの?原因をサクッと切り分け!
具体的な作業に入る前に、「なんでチェックを外したのに直らないの?」っていう原因の全体像を、ざっくり知っておきましょう。
敵(原因)を知れば、無駄な作業をせずに、最短ルートで解決できますからね!
多くの人が陥る最初の罠。それは、「Windowsの機能の有効化・無効化」にある「Hyper-V」のチェックを外せば、Hyper-Vは完全に停止するという誤解です。
Windows 10まではそれで正解でした。しかし、Windows 11(特に22H2以降)では事情が異なります。Microsoftはセキュリティを強化するため、OSの深い部分で仮想化技術を積極的に利用するようになりました。
「VBS」と「コア分離」という名の隠れキャラ
ここで登場するのが、VBS(Virtualization-Based Security:仮想化ベースのセキュリティ) と、その機能の一部である コア分離(メモリ整合性) です。
これらは、ウイルスや不正なコードからOSの中核を守るための重要なガードマンですが、その動作原理として Hyper-Vと同じ仮想化ハイパーバイザー技術(Type-1 Hypervisor)を使用 しています。
つまり、あなたがコントロールパネルで「Hyper-V(という名前の管理ツールやプラットフォーム)」をオフにしても、裏ではVBSやコア分離がハイパーバイザーを使い続けているため、システム全体としては「Hyper-Vが有効な状態」と判定されてしまうのです。
これが、VirtualBoxやNoxなどのサードパーティ製仮想化ソフトが、「CPUの仮想化支援機能(VT-x/AMD-V)を使いたいのに、Windowsに横取りされている!」とエラーを吐く原因です。
まさに「見えない壁」に阻まれている状態なんですね💦
【解決策】DockerもNoxも諦めない。「Hyper-V切り替えスイッチ」の作り方
「じゃあ、VBSもコア分離も全部オフにすればいいんですね?」
確かにそれが一番手っ取り早い解決策です。しかし、私たちエンジニアには別の事情があります。
そう、Docker Desktop や WSL2 (Windows Subsystem for Linux 2) です。
これらはHyper-Vの機能を必要とするため、完全に無効化してしまうと、今度は仕事の開発環境が動かなくなってしまいます。
- 完全に無効化する:Noxはヌルヌル動くが、Docker/WSL2が死ぬ。
- 有効のままにする:Docker/WSL2は動くが、Noxが起動しない(または重い)。
このジレンマを解消する最高のソリューションが、「ブートエントリの複製による切り替えスイッチ」の作成 です。
PC起動時に、「いつものWindows(仕事用)」か「Hyper-V無効化版Windows(遊び用)」かを選べるようにしちゃいましょう!
コマンドプロンプト(黒い画面)を使いますが、手順はとてもシンプルです。一緒にやってみましょう💪
Step 0: 【超重要】BitLockerの確認(Pro版ユーザー必須)
⚠️ 警告:作業前に必ず読んでください!
もしあなたのPCが「Windows 11 Pro」の場合、BitLocker(暗号化機能)が有効になっている可能性があります。
BitLockerが有効なままブート設定を変更すると、再起動時に「回復キーを入力してください」と求められ、キーを知らないとWindowsが二度と起動できなくなる(データが取り出せなくなる)恐れがあります。
【対策】以下のどちらかを必ず行ってください:
- BitLockerの「回復キー(48桁の数字)」を紙にメモするかスマホで写真を撮る。
- または、作業中だけBitLockerを「保護の中断」にする(コントロールパネル > BitLockerドライブ暗号化)。
※「回復キーって何?」という方は、Microsoftアカウントのサイト(回復キー確認ページ)で今すぐ確認できます。
※Windows 11 Homeの方は、基本的に気にしなくて大丈夫ですが、念のため確認しておくと安心です。
Step 1: 管理者権限でコマンドプロンプトを開く
- スタートメニューで「cmd」と入力します。
- 出てきた「コマンドプロンプト」を右クリックして、「管理者として実行」 を選択してください。
(※PowerShellではなく、従来のコマンドプロンプト(cmd.exe)の方が、GUIDの扱い(カッコのコピペなど)が少し楽なので今回はこちらを使います!)
💡 安全のためのバックアップ
念のため現在のブート設定をバックアップしておきましょう。以下のコマンドを実行すれば、いつでも復元できます。
Step 2: 現在のブート設定をコピーする
まず、現在の「正常に起動するWindowsの設定」を丸ごとコピーして、新しい入り口を作ります。以下のコマンドを入力してEnterキーを押してください。
(コマンドプロンプト上での貼り付けは、Ctrl+V か 右クリック で行えます)
- bcdedit:ブート設定データを編集するコマンドです。
- /copy {current}:今ログインしているこのOSの設定をコピーします。
- /d “…”:新しい入り口の名前です。自分がわかりやすい名前なら何でもOKです。
成功すると、「エントリは { xxxxxxxx-xxxx-xxxx-xxxx-xxxxxxxxxxxx } に正常にコピーされました。」というメッセージが表示されます。
この { … } の部分(GUIDと言います)をマウスでドラッグして選択し、Ctrl+Cでコピーしてください。
これが新しい入り口のIDカードになります。メモ帳などに貼り付けておくと安心ですよ!📝
Step 3: 新しい設定の方だけHyper-Vを完全停止する
次に、今作った新しい入り口に対して、「こっちで起動する時はハイパーバイザーを絶対に立ち上げるな!」という命令を書き込みます。
以下のコマンドを入力します。{GUID} の部分は、先ほどコピーした自分のIDを貼り付けてください。
hypervisorlaunchtype off
これが最強の呪文です。VBSだろうがコア分離だろうが関係なく、ブートローダーの段階でハイパーバイザーの起動を強制的に禁止します。
「この操作を正しく終了しました。」と表示されれば設定完了です!
Step 4: 【必須】再起動の前に「高速スタートアップ」を切る
⚠️ ここを見逃すと失敗します!
Windows 11の初期設定では「高速スタートアップ」が有効になっています。これがオンのままだと、シャットダウン後の起動時に「OS選択画面」がスキップされてしまい、せっかく作ったメニューが表示されません。
確実に選択画面を出すために、以下の手順でオフにしてください。
- スタートメニューで「コントロールパネル」と検索して開きます。
- 「ハードウェアとサウンド」→「電源オプション」をクリック。
- 左側の「電源ボタンの動作を選択する」をクリック。
- 上部にある青い文字「現在利用可能ではない設定を変更します」をクリック(管理者権限が必要です)。
- 下の方にある「高速スタートアップを有効にする(推奨)」のチェックを外します。
- 「変更の保存」をクリック。
Step 5: 再起動して確認する
これで準備は完璧です。PCを再起動してみてください。
メーカーのロゴが出た後、見慣れない青い画面が表示され、「Windows 11」 と 「Windows 11 No Hyper-V」 のどちらで起動するか選べるようになっているはずです。
- DockerやWSL2を使いたい時:いつもの「Windows 11」を選択。
- NoxやVirtualBoxを使いたい時:「Windows 11 No Hyper-V」を選択。
これで、再インストールも複雑な設定変更もなしに、両方の環境を手に入れました。おめでとうございます!🎉
✍️ 専門家の経験からの一言アドバイス
【結論】:GUIDのコピペミスだけには注意してください。
誤って {current} (現在の設定)の方を書き換えてしまうと、普段使いのDocker環境まで無効化されてしまいます。
もし間違えた場合は、元のOSで起動して bcdedit /set {current} hypervisorlaunchtype auto と打てば元に戻せますので、落ち着いて対処してくださいね。
【代替案】PowerShellでHyper-V関連機能を根こそぎ無効化する方法
「DockerやWSL2は使わない。このPCはゲーム専用機だから、とにかくHyper-Vを完全に消し去りたい!」
そんな潔いあなたのために、関連機能を根こそぎ無効化する手順も紹介しておきます。切り替え運用が不要な場合は、こちらを実行してください。
1. コア分離(メモリ整合性)をオフにする
これはGUIから行います。
- 設定 > プライバシーとセキュリティ > Windowsセキュリティ > デバイスセキュリティ を開きます。
- 「コア分離」の詳細設定をクリック。
- 「メモリ整合性」をオフ にします。
2. PowerShellで関連機能を一括無効化
管理者権限でPowerShellを開き、以下のコマンドを一気に入力(コピペ)して実行してください。
Disable-WindowsOptionalFeature -Online -FeatureName HypervisorPlatform
Disable-WindowsOptionalFeature -Online -FeatureName VirtualMachinePlatform
完了したら、必ずPCを再起動してください。再起動後に変更が適用されます。
これらの機能(Microsoft-Hyper-V-Allなど)は、Hyper-V本体だけでなく、「Windowsハイパーバイザープラットフォーム」 や 「仮想マシンプラットフォーム」 といった、VBSやWSL2が使用する関連コンポーネントです。これらを全て無効化することで、ハイパーバイザーが起動する要因を排除します。
VirtualBox 7.xなら共存できるが、おすすめしない理由
「最新のVirtualBox 7系や、最近のNoxはHyper-Vと共存できると聞いたけど?」
鋭い質問です。確かに、バージョンアップによってHyper-Vが有効な状態でも動作するようにはなりました(NEMモード)。
しかし、私はあえて 「共存」ではなく「無効化(切り替え)」を推奨 します。理由はシンプルで、圧倒的なパフォーマンス(速度)の差 です。
| 比較項目 | 推奨 (Recommended) 🚀 Hyper-V 無効 (Rawモード) |
🐢 Hyper-V 有効 (NEMモード) |
|---|---|---|
| 動作原理 | ハードウェア仮想化機能 (VT-x)を直接使用 |
Hyper-V APIを経由して 間接的に動作 |
| 実行速度 | 爆速 (ネイティブ) | 遅い (オーバーヘッド大) |
| 安定性 | 非常に高い | 環境により不安定 クラッシュ報告あり |
| Nox エミュレータ |
ヌルヌル動く | カクつきや操作遅延が 発生しやすい |
| 推奨シーン | ゲーム、重い処理、 開発全般 |
とりあえず起動確認だけ したい時 |
実際に動かしてみるとわかりますが、NEMモード(共存状態)でのOS起動やアプリの動作は、明らかに「もっさり」します。
特にFPSやリズムゲームをする場合、タップしてから反応するまでのわずかな遅延(ラグ)が致命的になります。
ストレスなく本来の性能を引き出し、ゲームを100%楽しみたいなら、やはりHyper-Vは切るべきなのです。
【おまけ】作ったブート設定を削除したくなったら?
「もうNoxを使わなくなった」「設定を間違えたから作り直したい」
そんな時のために、追加したブートエントリ(起動時の選択肢)を削除する方法も書いておきます。
- 管理者権限でコマンドプロンプトを開きます。
bcdedit /enumと入力して、削除したいエントリの {GUID} を確認します。- 以下のコマンドを入力します。
bcdedit /delete {削除したいGUID}
これでスッキリ元通りです!
環境を支配下に置き、ストレスフリーな仮想化ライフを
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
Windows 11のセキュリティ機能(VBS)は優秀ですが、時に私たちエンジニアやパワーユーザーの自由を制限する壁となります。しかし、今回紹介した bcdedit によるブートエントリの操作は、その壁を乗り越え、OSの深層を自らコントロールする鍵です。
「Raw-mode is unavailable」のエラーは、もう怖くありません。
あなたは今、再起動一つで、開発者としての「Docker環境」と、ゲーマーとしての「Nox環境」を自由に行き来できるスイッチを手に入れました。
さあ、まずはコマンドプロンプトを開いて bcdedit /enum と打ってみてください。そこには、あなたが自分の手で作り上げた、新しいPCへの入り口が記されているはずです。
あなたのエンジニアライフが、より自由で快適なものになりますように!👋✨
参考文献リスト
・BCDEdit /set – Windows drivers – Microsoft Learn
・Switch easily between VirtualBox and Hyper-V with a BCDEdit boot Entry – Scott Hanselman’s Blog
・Virtualization-based Security (VBS) – Microsoft Learn

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