【お急ぎの方へ:この記事の結論】
- ✅ 絶対に電源を切らない:「応答なし」は処理中の合図かも。まずは「15分ルール」で放置が鉄則(15分ルールへ)。
- ✅ 生存確認ショートカット:「Win+D」や「NumLock」で、PC全体が死んでいるのか見極めます(生存確認へ)。
- ✅ 上級者の裏技:「待機チェーンの分析」や「GPUリセット(Win+Ctrl+Shift+B)」で復活させる秘術(緊急保存テクへ)。
- ✅ 最後の砦と復元:強制終了後の「自動回復」と、深層に眠る「Tempファイル」の発掘方法(復元方法へ)。
※この記事では、エクセルが固まってパニック状態のあなたのために、強制終了ボタンを押す前に試すべき「すべての悪あがき」を網羅しました。目次から必要な部分へ飛んでください!
「……ウソでしょ? 今、ここで?」
今、あなたの目の前にあるパソコン画面。
エクセルのタイトルバーには、無慈悲な「(応答なし)」の文字。
マウスカーソルは青いリング(待機マーク)になってクルクルと回り続け、クリックしても「ポーン」という虚しいエラー音が響くだけ。
あるいは、画面全体が霧がかかったように白っぽくなって、時間は刻一刻と過ぎていく……。
背筋が凍るようなその瞬間、頭をよぎるのはただ一つの恐怖。
「まさか、朝から入力していた売上データ、全部消えちゃうの……?」
「上書き保存、いつ押したっけ? 1時間前? いや、昼休み前かも……」
その絶望感、痛いほどわかります。
私もライターとして、そして元社内SEとして仕事をしてきましたが、締め切り直前や会議直前にこの画面になった時の、心臓が口から飛び出そうな感覚、脂汗が滲んでくる感覚は、何度味わっても慣れるものではありません。
でも、ちょっと待ってください!
その画面にたどり着いたということは、まだ「電源ボタン長押し」や「コンセント引き抜き」という暴挙には出ていないはず。
それが大正解です!
パソコンがフリーズしたからといって、即座に電源を切るのはデータの自殺行為。まだ、助かる道はいくつも残されています。
この記事では、数々のパソコントラブルを解決し、冷や汗をかき続けてきた私の経験に基づき、フリーズしたエクセルを可能な限り安全に救出するための「現場レベルの裏技」と、万が一落ちてしまった際の「執念の復元方法」を徹底的に解説します。
さらには、「なぜこんな理不尽なフリーズが起きるのか?」という根本原因から、メモリ増設、レジストリ設定といった「二度と同じ悲劇を繰り返さないためのプロの対策」まで、網羅しました。
これは単なるハウツー記事ではありません。
あなたの貴重な時間と、必死に入力したデータを守るための「データ救命マニュアル」です。
焦る気持ちはわかりますが、まずは深呼吸。
マウスから手を離して、私と一緒に一つずつ「蘇生措置」を試していきましょう!💪
STEP1:強制終了する前に試すべき「待つ」という勇気
エクセルが固まった瞬間、私たちは本能的に「何か操作をしなきゃ!」「復活させなきゃ!」と焦って、画面をクリック連打してしまいがちです。
でも、ここでの最善手は、実は「何もしない(放置する)」ことであるケースが非常に多いんです。
「応答なし」は「故障」ではなく「処理中」のサイン
画面上部に「応答なし」と表示されると、「あ、死んだ」「フリーズした」と判断しちゃいますよね。
でもこれ、Windowsの仕組み上、アプリケーションが一定時間(約5秒程度)ユーザーの操作を受け付けないと、OS側が便宜的に「応答なし」というラベルを貼っているだけ……という場合が多々あるんです。
裏側では、エクセルさんが必死になって、以下のような重たい処理を行っている最中かもしれません。
- 複雑なVLOOKUPやSUMIFS関数の再計算
- 巨大なピボットテーブルの更新
- 条件付き書式の適用範囲の計算
- プリンタードライバーとの通信(これが意外と多い!)
- OneDriveへの自動保存の同期待ち
この状態でクリックを連打したり、他のウィンドウを開こうとしたりするのは、忙しくてパニックになっている店員さんに「ねえ!まだ!?ねえ!!」と肩を揺さぶって話しかけるようなもの。
CPU(パソコンの脳)にさらなる負荷をかけ、本当に復帰不可能な「完全フリーズ(ハングアップ)」の状態へと追い込んでしまいます。
「15分ルール」:コーヒーを淹れる時間を作る
私の経験則ですが、複雑な関数や数万行のデータを扱っている場合、処理に数分〜10分程度かかることは珍しくありません。
特に、古いパソコンやメモリが少ないパソコンではなおさらです。
まずはマウスやキーボードから一切の手を放し、最低でも15分ほど放置してみてください。
その間に給湯室へ行ってコーヒーを淹れたり、トイレに行ったりして、あなた自身のクールダウンを行いましょう☕
15分後、戻ってきたときには、何事もなかったかのようにカーソルがチカチカと点滅している……なんてこと、本当によくありますから!
HDD/SSDの「アクセスランプ」を確認する
もしあなたのパソコンに、円筒形のマークがついた「アクセスランプ(ストレージランプ)」が付いているなら、その光を見てください。
チカチカ……と不規則に点滅していますか?
もし点滅しているのであれば、パソコンは裏でデータの読み書き(スワップ処理など)を懸命に行っています。
これは「生きて動いている」確たる証拠です。
絶対に電源を切ってはいけません。パソコンが仕事を終えるのを、信じて待ちましょう。
STEP2:画面が動かない時の「生存確認」ショートカット
「15分待ったけど、やっぱり動かない……」
「画面が白くなったまま、何も変わらない……」
そんな時は、次に「キーボード操作」を使って、パソコンの状態を診断します。
フリーズには「エクセルだけが止まっている」場合と、「パソコン全体(Windows)が止まっている」場合の2パターンがあります。
どちらなのかを見極めることで、次に打つべき手が変わってくるからです。
【診断1】Windowsキー + D:デスクトップを表示させる
まず試してほしいのが、「Windowsキー(旗のマーク)」を押しながら「D」を押すショートカットです。
これは、開いているすべてのウィンドウを最小化し、デスクトップ画面を表示させるコマンドです。
もしこれで画面がパッと切り替わるなら、パソコン自体(OS)は生きています。
エクセルという一つのアプリケーションだけが問題を抱えていることがわかります。これなら、まだ希望は大きいです。
逆に、この操作をしても画面が全く変わらない場合は、OSレベルで深刻なフリーズを起こしている可能性が高まり、次のフェーズへの覚悟が必要になります。
【診断2】NumLockキーのランプ点滅チェック
キーボードのテンキーの上にある「NumLock」キー(またはCapsLockキー)を、カチカチと何度か押してみましょう。
キーボード上の小さなLEDランプが、点灯・消灯と切り替わりますか?
これは「ハードウェア割り込み」と呼ばれる信号が機能しているかどうかのテストです。
もしこのランプが反応するなら、キーボード入力の信号はパソコン本体に届いています。
しかし、ランプすら反応しない場合。
これは残念ながら、パソコンのハードウェアレベル、あるいはOSの中枢部分(カーネル)で完全停止している可能性が極めて高いです……。
この場合、残念ながらソフト的な操作での保存は絶望的となります(泣)。
【裏技】Win + Ctrl + Shift + B:グラフィックドライバーのリセット
これはあまり知られていない、上級者向けの隠しコマンドです。
画面が真っ黒になったり、フリーズしたように見えたりする場合、実は「画面を描画する機能(グラフィックドライバー)」だけがクラッシュしていることがあります。
キーボードの「Windowsキー」+「Ctrl」+「Shift」+「B」を同時に押してみてください。
一瞬、画面が暗転して「ピッ」というビープ音が鳴るかもしれません。
これはグラフィックドライバーを強制的に再起動させるコマンドです。
もし描画トラブルが原因であれば、この操作一発で画面がリフレッシュされ、エクセルが操作できるようになることがあります!
STEP3:エクセルが反応しない場合の「緊急保存」テクニック
パソコン自体は生きているけれど、エクセルだけが「応答なし」から戻ってこない。
そんな時に、イチかバチか試みる価値のあるテクニックを紹介します。
これらはMicrosoft公認の正規の方法ではありませんが、現場のSEたちの間で語り継がれている「裏技」です。
【秘術1】「待機チェーンの分析」で邪魔者を消す
これが最も効果的かつ、知っておくべきテクニックです。
エクセルが固まっている原因が、「エクセル自身」ではなく、「エクセルの裏で動いている別の小さなプログラム」である場合が多いからです。
- 「Ctrl」+「Shift」+「Esc」を押して、タスクマネージャーを起動します。
- 「詳細」タブ(Windows 10/11の場合)をクリックします。
- 一覧から「EXCEL.EXE」を探して右クリックします。
- メニューから「待機チェーンの分析」を選択します。
もし、ここに「EXCEL.EXE は splwow64.exe を待機しています」のような表示が出たらチャンスです!
これは「印刷機能(プリンタードライバー)」がフリーズして、エクセルを道連れにしている状態です。
この場合、エクセルではなく、その下の「splwow64.exe(またはその他の従属プロセス)」だけにチェックを入れて「プロセスの終了」を押してください。
すると、フリーズの原因となっていた邪魔者が消え、エクセルが急に「パッ」と息を吹き返すことがあります。
これで保存ができれば、大勝利です!
【秘術2】インターネット回線を物理的に切断する
最近のエクセルは、OneDriveやSharePointといったクラウドストレージと常に同期しています。
もし、フリーズの原因が「通信環境の不調」や「同期の詰まり」にある場合、回線を切ることで解決することがあります。
- LANケーブルを抜く。
- Wi-Fiのスイッチを切る(機内モードにする)。
通信が遮断されると、エクセルが「あ、通信できないな」と諦めてタイムアウト処理を行い、操作が可能になる(ローカルでの操作に戻る)ことがあります。
「保存中」のバーが止まったまま動かない時に、特に有効な手段です。
【秘術3】外部モニターを接続・切断する
ノートパソコンの場合、HDMIケーブルなどでテレビや外部モニターに接続してみる。
あるいは、既に接続しているモニターケーブルを一度ガボッと抜いてみる。
この「画面出力の切り替え」というハードウェア的な信号が強力な刺激となり、固まっていたウィンドウマネージャーがリセットされ、操作可能になることがあるんです。
内部のデータ処理には影響を与えにくい「ショック療法」として、試す価値は十分にあります。
【最終手段】スマホで画面を撮影する
どうしても操作が受け付けられない。
しかし、画面には重要な数字や文章が表示されている。
そんな時は、デジタルの解決を諦め、アナログに頼りましょう。
スマートフォンを取り出し、画面に表示されているデータを全て写真に撮ってください。
泥臭い方法ですが、これが最強の保険です。
データファイルとしての復元はできなくても、「情報」としての損失は防げます。
最悪の場合、その写真を見ながら打ち直すことができますから。
「データが消えて何だったか思い出せない」ことこそが、最大のリスクであり恐怖ですからね。
STEP4:いよいよ強制終了…ダメージを最小限に抑える手順
あらゆる手を尽くしてもエクセルが復帰しない場合。
私たちは、悲しい決断を下さなければなりません。
強制終了です。
しかし、ここでも注意が必要です。
電源ボタンの長押しは、絶対に避けてください。
それはパソコン全体のシステムファイルを破損させ、エクセル以外のデータや、最悪の場合はWindows自体を起動不能にするリスクがあるからです。
「プロセスツリーの終了」を使う
ただ「タスクの終了」をするよりも、関連するゴミを残さずに綺麗に終わらせる方法があります。
- タスクマネージャーの「詳細」タブを開きます。
- 「EXCEL.EXE」を右クリックします。
- 「タスクの終了」ではなく、「プロセスツリーの終了」を選びます。
これにより、エクセル本体だけでなく、エクセルが呼び出していたアドインやヘルパープログラムも一括で終了させることができます。
メモリ内に残留物が残りにくく、次回の起動がスムーズになるプロの手順です。
強制終了後の再起動は「義務」
エクセルを強制終了させた後、すぐにエクセルを再度立ち上げてはいけません。
メモリ(RAM)の中には、フリーズの原因となったゴミデータやエラー情報がまだ残留している可能性があります。
一度、正規の手順(スタートメニューから再起動)でパソコンを再起動させてください。
これにより、メモリの中身がリフレッシュされ、クリーンな状態で作業を再開できます。
急がば回れ。焦ってすぐに開くと、また同じファイルでフリーズする……という無限ループに陥りますよ。
STEP5:消えたデータを取り戻す!執念の復元テクニック
再起動後、PCが立ち上がりました。
祈るような気持ちでエクセルのアイコンをクリックすることでしょう。
ここからは、失われた(と思っている)データを救出するフェーズです。
エクセルには、私たちのミスや事故を想定した強力なバックアップ機能が備わっています。まだ諦めないで!
1. 「ドキュメントの回復」ウィンドウを確認する
通常、強制終了後にエクセルを起動すると、画面の左側に「ドキュメントの回復」というパネルが自動的に表示されます。
ここには、エクセルが自動的に保存していたバックアップファイルが一覧で表示されます。
- オリジナルファイル:最後に自分で「保存」を押したときのもの。
- 自動回復済みファイル:エクセルがバックアップした、より新しい時刻のもの。
ファイル名と時刻をよく確認し、最新のものをクリックして開いてみましょう。
直前の作業内容が残っていれば成功です!
すぐに「名前を付けて保存」を行い、別ファイルとして確定させてください。よかった……!😭
2. 「未保存のブック」フォルダを探る
「えっ、ドキュメントの回復が出てこないんだけど……?」
もし表示されなかった場合でも、まだ望みはあります。
新規作成ファイルで一度も保存していなかった場合などは、別の場所に隠されていることがあります。
- エクセルの「ファイル」タブをクリック。
- 「情報」を選択。
- 「ブックの管理」ボタンをクリック。
- 「保存されていないブックの回復」を選択。
これで、通常はユーザーの目に触れない隠しフォルダ(UnsavedFiles)が開きます。
そこに「.xlsb」や「.asd」といった拡張子のファイルがあれば、それがあなたの失ったデータである可能性があります!
3. 「Roaming」フォルダの奥地を探索する
さらに深層を探ります。
エクセルは、以下の場所に自動回復用のデータを保存していることが一般的です。
エクスプローラーのアドレスバーに、以下のパスを(ユーザー名の部分を変えて)貼り付けてみてください。
C:\Users\(あなたのユーザー名)\AppData\Roaming\Microsoft\Excel\
ここに、ファイル名の後ろに謎の数字がついたフォルダやファイルがありませんか?
それこそが、強制終了直前のデータの残骸かもしれません。
4. 最終手段:「Temp」フォルダからの発掘
これが本当のラストチャンスです。
Windowsの一時フォルダ(Tempフォルダ)を探します。
- キーボードの「Windowsキー」+「R」を押します。
%temp%と入力してエンターキーを押します。- 無数のゴミファイルが表示されますが、諦めないでください。
- 詳細表示にして、「更新日時」をクリックして新しい順に並べ替えます。
- フリーズした時間帯に作成された、
~DFxxxx.tmpのような名前のファイルを探します。
もしそれらしいサイズのファイルが見つかったら、そのファイルをデスクトップにコピーしてください。
そして、拡張子(.tmp)を強引に「.xlsx」に書き換えます。
「拡張子を変更すると使えなくなる可能性があります」と警告が出ますが、無視して「はい」。
これをエクセルで開くと……奇跡的にデータが表示されることがあります!
💾
データの復元について、もっと詳しく知りたい方へ
【完全図解】エクセルの自動保存・復元機能の設定方法と、消えたファイルの探し方
※今回助かった人も、助からなかった人も、未来のために「自動保存の設定」だけは見直しておきましょう!
なぜエクセルはフリーズするのか?「3大原因」の徹底解剖
無事にデータが戻った(あるいは諦めて作り直した)としても、安心してはいけません。
原因を放置すれば、また明日、同じ恐怖を味わうことになるからです。
エクセルがフリーズする主な原因は、以下の3つの要素が複雑に絡み合っています。
1. 「32bit版エクセル」のメモリ制限
これが最も見落とされがちで、かつ深刻な原因です。
あなたのパソコンが最新の高性能マシン(メモリ16GBや32GB)だとしても、インストールされているエクセルが「32bit版」だと意味がありません。
32bit版のエクセルは、構造上「最大2GBまで」しかメモリを使えないという制約があるからです。
最近のデータ量が増えたビジネスシーンでは、2GBなんてあっという間に使い切ってしまいます。
メモリがいっぱいになったコップに水を注げば……当然、溢れてフリーズしますよね。
2. ファイルの肥大化と「構造的欠陥」
ファイルサイズが大きいだけなら、読み込みが遅いだけで済みます。
問題は「構造」です。
- 循環参照:Aの計算にBが必要で、Bの計算にAが必要……という無限ループ。
- 過剰な条件付き書式:セル一つ一つに複雑なルールを設定しすぎて、スクロールするたびに再計算が走る。
- 見えないオブジェクト:Webサイトから表をコピペした際などに、目に見えない透明な図形が数千個張り付いているケース。
これらは、エクセルの計算エンジンに異常な負荷をかけ、フリーズを誘発します。
3. プリンタードライバーやアドインの競合
意外かもしれませんが、エクセルは起動時やページ設定を開く際、常に「デフォルトのプリンター」と通信して、「印刷可能範囲」などの情報を取得しようとします。
もし、古いネットワークプリンターがデフォルトに設定されていて、そのプリンターと通信できない状態だと、エクセルはずっと返事を待ち続けてフリーズします。
| 原因の分類 | 具体的な要因 | 特徴的な症状 |
|---|---|---|
| リソース不足 | メモリ容量不足 / 32bit版の使用 | 「リソース不足です」と出る。他のアプリも同時に重くなる。 |
| ファイル起因 | 複雑な計算式・循環参照・オブジェクト | 特定のファイルを開いた時や、計算・保存時のみ固まる。 |
| 環境起因 | プリンター通信・アドイン競合 | エクセルの起動時や印刷プレビュー時にフリーズする。 |
二度と固まらせない!最強のフリーズ防止・設定術
ここからは「守り」の戦略です。
エクセルの設定を少し変えるだけで、フリーズのリスクを劇的に下げることができます。
今すぐ設定画面を開いて、以下の項目を確認してください。
1. 「ハードウェアグラフィックアクセラレータ」を無効化する
これがフリーズ対策の定番中の定番です。
エクセルは描画を綺麗にするためにGPU(グラフィック機能)を使おうとしますが、これがPCとの相性問題を起こすことが非常に多いんです。
「ファイル」>「オプション」>「詳細設定」の中に、「ハードウェアグラフィックアクセラレータを無効にする」というチェックボックスがあれば、これにチェックを入れてください。
描画処理を安定したCPUに行わせる設定になり、動作が安定します。
⚠️ 注意:最近のエクセルにはこの項目がない?
最新のMicrosoft 365やExcel 2021では、この設定項目がオプションから消えています。
その場合、Windowsの設定から変更する必要があります。
- Windowsの「設定」>「システム」>「ディスプレイ」>「グラフィック」を開く。
- アプリの一覧から「Microsoft Excel」を選び(なければ追加し)、「オプション」をクリック。
- 「高パフォーマンス(GPU)」ではなく「省電力(CPU内蔵グラフィック)」などを指定してみる。
2. 自動保存の間隔を「戦略的」に変更する
エクセルの「自動回復用データの保存間隔」は、デフォルトで10分になっています。
これを短くすれば安心かというと、そう単純ではありません。
保存処理自体が重たい巨大ファイルの場合、頻繁に保存処理が走ることで作業が中断され、それがフリーズの引き金になることすらあるからです。
- 軽いファイルの場合:5分程度に短縮して安全性を高める。
- 重たいファイルの場合:あえて20分〜30分に延ばす、あるいは「手動保存」を徹底するルールに変える。
3. 不要な「COMアドイン」を削除する
「ファイル」>「オプション」>「アドイン」を確認します。
画面下部の「管理:Excelアドイン」を「COMアドイン」に変更して「設定」ボタンを押してください。
ここに、使っていない「PDF変換ツール」や「年賀状ソフト連携」「会計ソフト連携」などのチェックが入っていませんか?
これらはエクセルの動作に割り込んでくるため、不要なものは全てチェックを外して無効化しましょう。
エクセルの起動速度も爆速になりますよ!
根本解決:パソコン環境を見直すという投資
ソフトウェアの設定だけでは限界がある場合、ハードウェア、つまりパソコンそのもののスペックを見直す時期かもしれません。
「会社のPCだから変えられない」という方も多いと思いますが、上司に「フリーズで失っている時間のコスト」を説明し、交渉材料にしてください。
メモリ(RAM)は「16GB」が人権ライン
もしあなたのパソコンのメモリが4GBや8GBであれば、現代のビジネス環境で、ブラウザを開きながらエクセルを使いこなすには「圧倒的リソース不足」と言わざるをえません。
OS(Windows 10や11)が起動するだけで4GB近くを使用するため、エクセルに残された領域はごくわずかです。
エクセルを快適に、かつ安全に動かすなら、16GBのメモリは必須(人権ライン)と言えます。
さらに、複数のブックを同時に開くなら32GBあると世界が変わります。
64bit版エクセルへの乗り換え
先ほども触れましたが、これが最もコストをかけずに効果が出る対策です。
現在インストールされているOfficeが32bit版なら、一度アンインストールし、64bit版をインストールし直してください。
ライセンスは共通なので、追加料金はかかりません。
(「ファイル」>「アカウント」>「Excelのバージョン情報」から確認できます)
これにより、エクセルが使えるメモリの上限が撤廃され、巨大なファイルでもサクサク動くようになります。
| パーツ | 最低限(閲覧メイン) | 推奨(一般的な実務) | 理想(大量データ処理) |
|---|---|---|---|
| CPU | Core i3 / Ryzen 3 | Core i5 / Ryzen 5 | Core i7 / Ryzen 7 |
| メモリ | 8GB | 16GB | 32GB以上 |
| ストレージ | SSD 256GB | SSD 512GB (NVMe) | SSD 1TB (NVMe Gen4) |
ファイルを軽くするテクニック:ダイエットで健康に
最後に、パソコンを強化するだけでなく、扱うファイル自体を健康的な状態(軽量化)に保つテクニックを紹介します。
メタボリックなエクセルファイルは、どんなハイスペックPCでも処理しきれませんからね。
1. 「使用していない範囲」の完全削除
データが入っていないように見えるセルでも、一度書式設定などをすると、エクセルはそこを「有効なデータ範囲」として認識し続け、メモリを無駄食いします。
「Ctrl」+「End」キーを押してみてください。
カーソルが、データが入っている最終行よりもはるか下、はるか右の、何もないセルに飛びませんか?
もしそうなら、その間の「何もないはずの行・列」をすべて選択し、行ごと・列ごと「削除」してください(Deleteキーではなく、右クリック削除)。
これだけでファイルサイズが半分以下になることもあります。
2. 数式を「値」に変換する
計算が終わった過去のデータまで、ずっと数式(VLOOKUPなど)を残していませんか?
これらはファイルを開くたび、何かのセルを変更するたびに再計算され、リソースを食い潰します。
今後変動しないデータは、コピーして「値として貼り付け(123のマーク)」を行い、ただの数字や文字に変換してしまいましょう。
3. バイナリブック(.xlsb)での保存
通常のエクセルファイル(.xlsx)はXMLベースで互換性が高いですが、ファイルサイズが大きくなりがちです。
これを「Excel バイナリ ブック(.xlsb)」という形式で保存すると、中身が圧縮され、動作が高速になります。
マクロもそのまま使えますし、計算速度も向上します。
自分だけが使う重たいファイルなら、この形式にするのがプロの常套手段です。
まとめ:フリーズは「現場の工夫」と「準備」で乗り越えられる
エクセルがフリーズしたときの、あの血の気が引く感覚。
できることなら二度と味わいたくないですよね。
ここまで長文にお付き合いいただきましたが、最後に今回の「生存戦略」をまとめます。
✅ エクセル救出・完全チェックリスト
- 待つ: 15分ルールを守り、アクセスランプを見る。焦りは禁物。
- 診断: Win+DやNumLockで、PC全体の生死を確認する。
- 裏技: 「待機チェーンの分析」や「GPUリセット」で蘇生を試みる。
- 復元: 自動回復、UnsavedFiles、Tempフォルダを執念で探す。
- 予防: メモリ16GB以上、64bit版エクセル、不要アドイン削除で環境を整える。
「パソコンがフリーズした!」
次にそう叫びたくなった時、あなたはもうパニックになることなく、「よし、まずは待機チェーンを確認するか」と、冷静な医師のように対処できるはずです。
そして、無事にデータを救出した後は、ぜひメモリの増設や設定の見直しを行ってください。
トラブル対応能力も大切ですが、トラブルが起きない環境を作ることこそが、真のプロフェッショナルの仕事術ですからね!
さあ、まずはタスクマネージャーを開いて、現在のメモリ使用率をチェックすることから始めてみませんか?
それが、快適なエクセルライフを取り戻すための第一歩です。
あなたの作業データが、無事に守られますように!👋✨

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