Excel予実管理|積み上げ棒を2本並べる「階段状データ配置」が最強の正解だ

「積み上げ棒グラフで、予算と実績を横に並べて比較したい」

「しかし、Excelで普通に作ると、なぜか1本の棒に合算されてしまう……」

経営管理やマーケティングの現場で「予実管理(予算対実績)」の資料を作る際、多くの人がこの壁にぶつかります。

ネットで検索すると「第2軸を使う」や「透明なダミーデータを入れる」といった複雑な方法が出てきます。

 

しかし、結論から言います。

それらはメンテナンス性が低いため、実務では推奨されません。

この記事では、Microsoftの仕様に基づいた最も堅牢で、かつ5分で美しく作成できる「階段状配置術(Staircase Layout)」について、そのロジックと具体的な手順を解説します。

 

 

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【結論】予実比較を最も美しく見せるのは「階段状配置」一択である

まず結論です。

積み上げ棒グラフを2本(以上)並列させる場合、グラフの設定をいじるのではなく、「元データの並べ方」を変えるのが正解です。

なぜなら、Excelの標準機能には「集合積み上げ棒グラフ(Clustered Stacked Column)」というグラフ種別が存在しないからです。

 

3つの手法の決定的な違い

私が過去に試した3つの主要な手法を比較しました。

実務で使い続けるなら「階段状配置」が圧倒的に優れています。

手法 難易度 実用性
① 階段状配置 簡単 推奨
② 第2軸活用 難しい 非推奨
③ ダミー列挿入 普通 非推奨

「第2軸活用」が非推奨な理由:
一見きれいにできますが、データが増減した際に「軸の最大値」がズレてしまい、予算と実績の縮尺が合わなくなる事故が多発するためです。

 

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ロジック:なぜ「階段状」にすると並ぶのか?

Excelの積み上げ棒グラフは、「同じ行にあるデータは1本に積み上げる」という仕様(計算式)で動いています。

つまり、予算と実績を「別の棒」にしたいなら、「別の行」に入力すればよいのです。

この記事独自の計算式:黄金比のデータレイアウト

では、具体的にどのようにセルを配置すればよいのでしょうか。

以下の「配置ロジック」に従ってデータを並べることで、自動的に美しいグラフが生成されます。

【視認性を最大化する配置ルール】

単純に2行にするのではなく、「予算の行」と「実績の行」を交互に、かつ斜め(階段状)に配置します。

具体的なイメージを見てみましょう。

▼ 失敗する配置(通常)

A支店 100 (予算) 90 (実績)

これでは1本の棒になってしまいます。

▼ 成功する配置(階段状)

A支店 100 (予算) (空白)
(空白) (空白) 90 (実績)

このようにデータを「階段状」にずらすことで、Excelは「これは積み上げるべきデータではない(別の行だから)」と判断します。

その結果、強制的に横に並べて描画させることができるのです。

 

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【実演】5分で完成!階段状配置グラフの作成3ステップ

理屈がわかったところで、実際に手を動かしてみましょう。

慣れれば3分で終わる作業です。

STEP 1:データを「階段状」に配置する

まず、元データを加工します。ここが最大のポイントです。

  1. 予算と実績のデータを、1行ずつずらして配置します。
  2. 項目名(支店名や月など)も、それぞれのデータの行に合わせて配置します。

【Excelシートの完成イメージ】

A列(項目) B列(予算1) C列(予算2) D列(実績1) E列(実績2)
1 東京 500 300
2 480 310
3 大阪 400 200
4 350 250

※ポイント:B/C列は「予算用」、D/E列は「実績用」として列も分けておくと、後の色分けが楽になります。

 

STEP 2:積み上げ縦棒グラフを挿入する

データ範囲(上記の表全体)を全選択し、以下の手順でグラフを挿入します。

  1. メニューの「挿入」タブをクリック
  2. グラフグループの「縦棒/横棒グラフの挿入」アイコンをクリック
  3. 「積み上げ縦棒」を選択

この時点では、棒グラフが細く、項目ごとに離れすぎて表示されているはずです。

「失敗したかな?」と思うかもしれませんが、大丈夫です。
次の一手ですべて解決します。

 

STEP 3:魔法の設定「系列の重なり」を100%にする

ここがプロの仕上げです。

離れてしまった棒グラフを、ピタッと寄り添わせます。

  1. グラフ上の棒(どれでもOK)をダブルクリック、または右クリックして「データ系列の書式設定」を開きます。
  2. 画面右側に出てくる設定ウィンドウで、以下の値を入力します。

✅ 系列の重なり(Series Overlap): 100%

✅ 要素の間隔(Gap Width): 50% 〜 80%

 

【なぜこれで解決するのか?】

「系列の重なり」を100%にすることで、本来Excelが「同じ場所(X軸上の同じ位置)」に描画しようとする棒グラフの重なりを最大化します。

しかし、我々はSTEP 1でデータを「行」ごとにずらしています。

そのため、結果として「重ならずに隣り合う」という現象が起きます。

これが、この裏技の数学的な正体です。

 

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まとめ:Excelの「仕様」を逆手に取れば、資料作成は劇的に早くなる

今回の「階段状配置術」は、Excelが持つ「行が違えば別の棒として扱う」という基本的な計算仕様を逆手に取ったテクニックです。

  • 結論: 第2軸ではなく「データの並べ方(階段状)」で解決する。
  • 根拠: メンテナンス性と再現性が最も高いため。
  • 手順: データを1行ずらす > 積み上げグラフ挿入 > 「系列の重なり」を100%にする。

このロジックさえ理解していれば、棒グラフが3本になっても4本になっても、同じ考え方で対応可能です。

ぜひ次回の会議資料作成で実践し、「どうやって作ったの?」と周囲を驚かせてください。

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